鹿児島熊本に跨る第三セクター鉄道の資産価値(2018/3 作成)
日本の多くの地方鉄道では利用者減少による赤字が、今問題になっています。そんな中、鉄道事業者が維持費を自力で賄うのは当たり前、という風潮も日本には漂っていると個人的に感じています。一方で、欧米の国々を見るとその多くが車社会なので、日本と比べたら随分と赤字な路線が多いのですが、インフラと割り切って行政がより積極的に援助をする傾向があります。
日本と欧米のどっちが正しいかの議論はさて置き(あまりそういった単純比較は好きじゃないので)、今回は普段鉄道を利用しない方も含めた社会全体にとっての鉄道の価値を考えてみたいと思います。鹿児島熊本に跨るとある第三セクター鉄道を取り上げてみました。実際に以下で鹿児島県側について計算を行いました。
大きい画面で見たい方はこちらをご覧ください。スマホの方は横画面にすると見やすいかと思います。
ど素人が手計算で概算したものですので、あくまで参考程度に留めてもらえれば幸いです。計算式は後述の参考文献を参考にさせていただきました。
表についてざっくり説明すると、様々な分野での鉄道による費用抑制効果を定量的に算出しました。例えば、鉄道の存在によって道路の交通量が多少抑えられ、道路補修の頻度が減るなどです。
その結果、この鉄道による鹿児島県側での費用抑制効果は年間合計約5.9億円と見積もられます。鹿児島県側の年間の公的補助額が約2.7億円ですので、その2倍以上の(公的補助に見合う)資産価値があると考えられます。